イシガニ剥製②
一連の博物館からのご依頼シリーズもいよいよ最後となりました。

ラストを飾るのはイシガニ紫バージョン。

イシガニといえば緑っぽい色をした小振りのカニという印象がありますが、

老成するとこんな色彩になるみたいです。
今回ご依頼いただいた個体は甲羅の幅が10㎝以上もある大物です。
見るからに再現が難しそうな色彩をしてますね~💦
紫バージョンのイシガニを制作するのは初めてなので成功するか正直不安ですが、引き受けた以上は最善を尽くして頑張ります。
それでは制作開始です。

まずはボイル。
毎度のことですが、全身真っ赤になってしまいます。
これを元の色彩に再現しなければならないのかと考えると、先が思いやられますね。

甲羅やハサミを外して肉を取り除きます。

殻を組み直してポーズを整え、乾燥させます。
一週間後・・・

充分に乾燥させたら、いよいよ塗装です。
あの複雑な色合いを再現するのにはかなりの苦戦が予想されますので、時間をかけてゆっくりと塗り進めることにします。

まずは脚の部分を塗装。
1日目はここで終了。

塗装2日目はハサミの部分を下塗り。
この作業だけで5時間もかかってしまいました💦
このひと手間が仕上がりに活かされると信じたいです。

3日目は甲羅とハサミの部分を塗装。
甲羅の色彩を再現するために、紫、黒、緑、赤、茶色とたくさんの色を混ぜ試行錯誤ましたが、なかなか良い色が作れたのではないかと思います。
この時点で先方にメールを送り画像を確認していただいたところ、脚の関節部分にもう少し色をつけてほしいということでしたので、

関節周りに色を塗ってみました。
微妙な変化がわかるでしょうか?
この色彩でOKをいただきましたので、

最後に表面をコーティングして完成です。
遂に・・・、遂にここまでたどり着きました😭
先方と何度もメールをやり取りし、繰り返し画像を確認していただきながら制作を進めていくのはとても大変でしたが、手間暇かけただけあって展示品として恥ずかしくない作品に仕上がったと思います。
先方からも「完成度が高くてすごい」とお褒めのお言葉をいただき、これまでの苦労が報われたように感じます。
お披露目されるのは1年先とのことですが、今から楽しみです。
2021年から2年にわたり制作を続けてきた博物館からのご依頼シリーズ。
これにて全て完了いたしました。
博物館で多くの人々の目に触れる展示品を手掛けさせていただくのはかなりのプレッシャーでしたが、無事大役を果たすことができ、剥製師として自信をつけることができました。
私のような無名の素人に活躍の機会を与えてくださった博物館関係者の皆様に心より御礼申し上げます。
これからも皆様に喜んでいただけるような剥製を作れるよう頑張っていこうと思いますので、今後とも魚道部!をよろしくお願いいたします。
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