タナゴ人工授精
昨年秋に購入したニッポンバラタナゴ。
屋外飼育をしていたのですが、冬を越して生き残っていたので、約10年ぶりに人工授精に挑戦してみることにしました。
※タナゴという魚は、本来は産卵管を二枚貝の管に差し込み、二枚貝のエラの中に産卵します。
2018年5月5日
メスの産卵管が十分に伸びているのを確認できたので、計画を実行しました!
ムカデの標本作りの裏側でこんなこともしていたのですww
メスです。
腹部を指でゆっくり押さえていくと、産卵管から卵が出てきます。
10年ぶりなので、手が震えますね~^^;
なんとか採卵できました!
こちらはオス。
婚姻色があまり出ていません。飼い方が悪かったのでしょう^^;
「薔薇タナゴ」というだけあって、本来は綺麗な色になるんですよ。
腹部を押すと精子が出てくるので、メスから採取した卵にかけます。
両手で作業しているので、当然人工授精の様子は撮影できません!
悪しからず^^;
親魚の役目はここまでです。
お疲れ様でした。
水槽に戻ってお休みくださいw
後刻ちゃんと餌を食べていたので、ダメージは少なそうです。
一安心^^;
ではここからは卵の様子です。
採卵直後は雫のような形をしています。
大きさは2㍉ほどでしょうか。
うまく受精していれば、卵の形がどんどん変わっていきます。
約1時間半後・・・
卵の形が変わってきました!
人工授精成功のようです!
5月7日(採卵から2日後)
円形になっていた卵が伸び始めました。
9時間かけてここまで伸びました。
周りには薄い膜のようなものが転がっていたので、おそらく卵の膜を破って孵化した痕だと思われます。
5月12日(採卵から1週間後)
チョロチョロと動くようになりました。
動きがウジ虫ににていることから「蛆虫運動」と呼ばれるそうです。
本来この時期はまだ二枚貝のエラの中にいるので、二枚貝が窒息死しないように少しずつ動いて位置を変えているのだとか・・・。
そして卵黄の両サイドにある突起は、貝から吐き出されないように引っ掛かる役目をしているのではないかと云われています。
どちらにせよ、二枚貝にはいい迷惑ですよねw
5月16日(採卵から11日後)
だいぶスマートになりましたね~。
眼や血管のようなものが見えてきました。
5月18日(採卵から13日後)
眼や血管がより鮮明に。
5月21日(採卵から16日後)
水面にぶら下がる行動が目立つようになりました。
うきぶくろに空気を取り込んでいるのでしょうか。
5月30日(採卵から25日後)
卵黄がほとんど吸収された模様です。
そろそろ餌を準備しなくては・・・。
6月2日(採卵から28日後)
泳ぎだすようになりました。
本来だと二枚貝から出てくる頃ですね。
もう餌を与えてもいいかな。
6月5日(採卵から1ヶ月後)
餌やりの様子です。
周囲にたくさんあるツブツブが餌になるプランクトン、アルテミア(ブラインシュリンプ)です。
やればやるだけ食べ尽くしてしまいます。
元気なのはとても良いことですが、プランクトンを湧かすの大変^^;
6月18日(採卵から44日後)
こんなに大きくなりました~!
人工飼料も食べるようになったので、もう大丈夫!
屋外で飼育します。
それから約4ヶ月半・・・
11月3日
水換えのときに姿を確認してみたのですが・・・
全然大きくなっとらんじゃん!!!
成魚と変わらない大きさになっているはずなのですが、一番大きな子でも3㌢ありません。
ちゃんと毎日餌やりしてたのに~!
これでは来年の産卵は見込めそうにないですね。
それにこんな小さくて冬越せるんじゃろうか?
不安やわぁ~。
と今更言ったところで、これからの時期は餌を食べなくなるでしょうから、もうどうしようもないですね・・・。
無事に冬を乗り切ってくれることを願うばかりです!(>_<)
お互い生きていたら、また来年の春にお会いしましょう^^;