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臥龍山荘

大洲城に行くと、併せて勧められるのが「臥龍山荘」。 明治期に建てられた、河内寅次郎という人の別荘だそうです。


城の遺構ではなさそうですが、ミシュラン一つ星みたいですし城からも近かったので行ってみることにしました。



樹木に覆われていて全貌は見えませんが、茅葺屋根の農家っぽい感じです。







ここが入り口のようですね。


ではお邪魔しま~す。






入って一番最初に目にするのがこの石垣。

変わった積み方ですが、様々な技法を組み合わせているみたいです。




例えば、

これは「流れ積み」という技法だそうで、臼を月に、石垣を川の流れに見立てているとのことです。風流ですね~。




次は建物を見ていきましょう。

臥龍院(がりゅういん)

臥龍山荘の母屋です。 外観は落ち着いた造りですが、農家風の建物と侮るなかれ!

構想だけで10年、建てるのに4年、各地の銘木を厳選し、当時の名工や絵画の大家の力を注ぎ込んで造られた名建築なのです!!




それでは内部をご覧ください。

(携帯電話のカメラで撮影しているので、きれいには撮れていませんが・・・)

清吹(せいすい)の間

夏向きに設計された部屋だそうで、他の部屋より天井が高くなっており、風の通りが良い造りになっているそうです。


花筏の透かし彫り

水にちなんだ透かし彫りが施されていて、涼しさを感じさせます。


障子越しに見せるというのがまた粋な計らいですね~。


壱是(いっし)の間

書院座敷という格調高い造りなのだとか(素人にはさっぱりわかりませんが^^;)


畳を上げれば能舞台としても使えるようになっていて、床下には音響を高めるために備前壺が並べられているそうです。


この部屋には鳳凰の透かし彫りが!

やはり他の部屋より格式が高いんですね。




霞月(かげつ)の間

床の間の掛け軸には富士山が描かれており、違い棚でたなびく霞を、丸窓で月を表現しているそうです。


襖もあえて鼠色にすることにより侘びた風情を感じさせます。


また取っ手にはコウモリの細工が施されています。

部屋全体で夕暮れの空間を表現しているのかもしれません。

庭園も趣がありますね~。 とっても落ち着きます。 これも計算されて設計されたものなのでしょう。

造り手のこだわりがうかがえます。

縁側には銅の飾り釘が使われていて、中には花押が刻印されている釘もあります。

探してみるのも面白いかもしれません。





続いては庭園に下りて散策してみましょう。






おや、何か建物がありますね。






知止庵(ちしあん)

庭園の中にある茶室です。

かつては浴室だったみたいですが、昭和に茶室として改造したそうです。 (中には入れません)





さらに庭園の奥に進むと







不老庵(ふろうあん)

最奥に庵が姿を現します。

自然の中に溶け込むようで、これも風情がありますね~。




崖の上に建てられていて、この庵そのものを船に見立てているそうです。




真下には臥龍淵。


左手に見えるのが蓬莱山という小島で、形が伏した龍に似ていることから「臥龍」と名付けられたそうです。




側面から見るとこんな感じ。

崖の上にせり出すように建てられているので、結構怖いです^^;




裏側に回ると「捨て柱」という生きた木をそのまま柱に使うという驚きの技法が見られます。




内部も凝った造りになっており、



見所はこの竹で編んだ天井です。

川面に反射した月明かりが天井に当たり部屋を明るくするのだそうです。


残念ながら夜間は公開されてはいませんが、どのような景色が見られるのか思いを馳せるだけでも心穏やかになります。


いや~、とっても満喫させていただきました。

ご馳走様ですw





最後に川の対岸から一枚。

どこから見ても絵になりますね~。


今回訪れたのは冬だったので落葉していますが、夏は木々が青々と繁り、秋は紅葉が美しいのでしょうね。

季節ごとの風景を楽しみにまた訪れてみても良いかもしれません。




臥龍山荘・・・全然期待していなかっただけに嬉しい誤算でした。

心地よく裏切られたという感じですw


和風建築が好きな方には満足していただけると思いますので、大洲に行く機会があれば是非一度訪れてみてください!

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