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モクズガニ剥製⑦

ありがたいことにまたまた博物館から剥製制作のご依頼をいただきました!


今回はモクズガニの抜け殻を剥製にするというミッションです。


先方からの情報によりますと、抜け殻の主は地元の子供たちから「キング」と呼ばれて親しまれていたのですが、脱皮直後に何者か(おそらくタヌキやサギ)に食べられてしまったそうです。

先方が脱皮直後に抜け殻をタイミングよく回収できていたみたいで、私のところで剥製にというお話になりました。

抜け殻だけでも残っていたのがせめてもの救いです。

生前の姿を再現できるよう最後まで責任をもってやり遂げさせていただきます!






届いた抜け殻がこちら↓

おぉ! さすが「キング」と呼ばれていただけあって、抜け殻もなかなか立派です。


しかし状態をよく確認すると、裏側はけっこう傷んでおり、関節のつなぎ目は触っただけで壊れてしまいそうなくらいもろくなっています。


これはなかなかの難物ですね💦

慎重に作業を進めることにします。






殻を壊さないように気をつけながらポーズを整えます。


この時点で先方に画像を送って確認していただいたところ、修正箇所のご指摘をいただき、






こちらのポーズに変更しました。






続いては塗装です。

下地の赤を消すために全体を白く下塗りし、






その上に絵の具を塗り重ねます。


この色彩で確認していただいたところ、もう少し緑を加えてほしいというご要望を受け、






緑色を加えたところ、


今度は緑が濃すぎるので、先ほどの色との中間色にしてほしいとご指摘を受け、






中間色に塗り直したところ、


脚の部分は最初の色に戻してほしいとのことでしたので、






脚の部分を白く塗り、もう一度塗り直しです😭






塗り直し後この色彩で確認していただいたところ、今度はOKをいただきましたので、






コーティングして完成です。






傷んでいた裏側も




修復箇所が目立たない程度に塗装しておきました。




完成後は先方へ発送し、無事到着。

これにて任務完了です👍




いやぁ~、今回はなかなか大変でしたね~💦

今まで何度もモクズガニの剥製を作ってきたので楽勝だろうと高を括っていましたが、思いのほか苦戦しました。

しかし今回の経験を通してモクズガニの塗装のコツを少し掴めたのではないかと、また一つ成長できたような気がします。


先方からは「色にこだわって良かった」とお返事をいただき、何度も塗り直した苦労が報われた思いです。

そして何より「キング」を蘇らせることができたというのが一番嬉しいですね。

博物館に展示された暁には是非とも多くの子供たちに見ていただきたいものです。


今回もご依頼いただきありがとうございました。

作品が展示される日を心待ちにしています。

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